「学びのつみき」と「基礎力」

私の考える、「学び」のイメージです。

私は、この「学びの土台」を構築できる、3歳～12歳の間を「学びのゴールデンタイム」と呼んでいます。学校制度の話だけではなく、お子さまの脳や能力や心の発達段階においても、「ゴールデン」です。素直でしなやかで柔らかい時期だからこそ、どんどん入っていきます。この時期に、いかに大きくて強い「学びの土台」が作れるかによって、上に積んでいける量が決まっていくのです。

そしてこの、「学びの土台」に当たるものが「基礎力」であると考えています。よく「基礎と基本」と言われています。似ているようで、全然違う「基礎と基本」。

「学び家　たくしん」の一番のねらいである、「基礎力」とはどんな力のことを言うのでしょうか。

分かりやすく算数の分野で述べさせていただきます。

まず、「算数の基礎・基本と言えば？」で真っ先に浮かんできそうなのが、「計算」です。計算が早いというのは、「学びのつみき」の中間層である「基本」です。その下の土台の「基礎力」が十分でないのに、上の計算ばっかりやっていても、さらに上の「応用」がうまく積めないというのも頷けます。

「基礎力」とは、

「自然数、小数、分数」などの「数そのものをイメージできる力」です。

「足し算、引き算、かけ算、割り算」などの四則演算の「現象をイメージできる力」です。文章を読んで、「ストーリーをイメージできる力」です。

また、それらイメージに合う、「処理の仕方を考える力」です。

一度覚えたら機械的に大量にこなせる「計算」とは全く違う力ということが分かりますね。毎度頭を使うし、経験が必要です。また、「丁寧さ」がないと培えません。教えたらすぐできるようになる「計算」とは違って、一朝一夕では、到底身につきません。

大切なのは、しっかりイメージができたうえでの、計算技能。

もちろん、計算もたくさん練習します。

計算のみに力を入れている塾で学んできた子どもたちが、

小学高学年あたりになって、「応用ができない」現象が多々見られるのは、

応用力がないのではなく、土台の基礎力が欠落しているからなのです。

いくら、「基本」の計算を積んでも、土台がボロボロなので、「学びのつみき」が崩壊してしまっているのです。

また、応用問題を「考えるの面倒くさい」「やりたくない」というのも、

「基礎」の経験があまりにも少ないために起こる現象です。

「考えるのが面倒」なのではなく、もはや、「考えられなくなっている」のです。

そして困ったことに、

「面倒くさい」が口癖だったり答案が汚くて雑だったり、

という「心」や「学びに対する姿勢」が歪んでしまっていると、

「基礎力が欠如している」ことよりも、対応が厄介になります。

直すのに時間がかかるし、中学3年間費やしても直ってくれないときも多々あります。

私は、それが一番悔しいのです。せっかくまっさらでしなやかだった脳と能が、「めんどくさい」「雑」「とにかくやりたくない」脳になってしまっていることが。

その後先、ずっと、お子さまの学びに影響を及ぼします。

良いことも悪いことも、たくさんのことを吸収していく「学びのゴールデンタイム」に、何もしないのはもったいないことです。しかし、前述したように、「歪めさせてしまう」ような教育を入れてしまってほしくもありません。お子さんの一生のうちたった一度の「学びのゴールデンタイム」は、これほど大切なのです。

文字や数字に興味を持ち始めたら、この「学びのゴールデンタイム」がもう始まっています。

カウントダウンが始まっているのです。お子さまの、この「学びのゴールデンタイム」に気づいた保護者さま。はじめ時が早ければ早いほど、残りのゴールデンタイムを最大限に生かしていくことができます。お子さまの「学びのゴールデンタイム」は、残り何年でしょうか？

私は、上記のような思いを胸に「わが子にしてあげたい教育を、わが子にしているように！」をモットーに、大切なお子さまの「学びのゴールデンタイム」を導いていきたいと思っております。わが子のように毎日見ていきたい、というのが本音です。