学びのゴールデンタイムって？？

中学生になると、定期テストがあり、初めて順位が出ます。残酷にも、数字で。

「私って、こんなにできないんだ…」

「うちの子って、こんなに勉強できないんだ…」

と、初めて現実を受け止め、それまで

「お金がかかるよね」「小学生から行かせなくても…」「なんとなく面倒だから…」

と、スルーしていた学習塾を、親子で慌てて探す。

お友達の通っている塾に問い合わせをしたり、校門前配布のチラシにレスをしたり、クラス体験をしてみたり…

膨大な手間暇をかけて、這う這うの体で見つけた塾に通いだす。

月謝はそれなりだけど、先生も熱心だし、部活も頑張りながら机に向かう時間も増えてきたみたい。

『よし。これなら…』と受ける、次の定期テスト。

結果が出た。

しかし…

「なんで？？ちゃんと塾に行きだして、勉強もしている様子だったのに…」

で親子でまたショックを受けて。

こんな親子をたくさん見てきました。塾に行きだして、すぐに成績が上がるように、先生も子どもも頑張ります。これまでにないくらい、とってもとっても頑張ります。もちろん劇的に成績が上がる生徒さんもたくさんいますが、そうじゃない場合もあります。それも結構な数です。

なぜでしょうか。

もちろん原因は様々あります。

それでも私の考える、大きな原因の一つは、「小学校で学んでいなくてはいけないことが、入っていない」ということです。

かけ算九九ができないのに、方程式は解けません。

「読んでイメージする」経験が少なすぎると、中学レベルの国語の読解問題は解けません。それどころか他教科、多教科の問題文さえ読み取れません。

この状態で、いくら塾で中学の単元のものを学んでも、できるようになるはずがありません。

時間とお金がかかるのを覚悟で、小学のつまずいているところからやり直すしかありません。

「小学校レベルからやりましょう」と提案してくれる塾は、まだ良心的です。

「当塾の指定する教材の問題しか対応しません」とさじを投げられたリ、

「伸びない」「受からない」のを承知で、お金を取るために、ただただ分からない指導を続けたりする塾すらあります。

7時～10時くらいまでの塾通い。それも、人生で一番忙しいと言われている中学生時代。

定期テスト、実力テスト、高校入試を意識した勉強。毎日宿題もあるし、部活もあります。

生まれて13年。「まだまだ子ども。そんなに差はない」と思ったら大間違いです。

それまでの期間を、意識して「積んでいる」のと、「積んでいない」のとでは、大違いなのです。

色々な、幼児教育や小学校教育が出てくる昨今ですが、やっぱり「学び」で大切なことは、「積んでいく」ことです。泥臭いですが、これが一番大事なのです。

小学校時代は、この、どんどん上を「積んでいく」ための、「土台」や「基礎」を建設していく時代です。これがしっかりしていないと、上に積んでいきたくても積めません。この時代に、いかに、大きく、強い「土台」を積んでいくかが、その後の学びの質を左右します。

よって、私は、この大切な小学校時代までを、

「学びのゴールデンタイム」と呼んでいます。

まだ、時間に余裕のある小学校まで。

まだ、他の子のエンジンがかかっていない小学校まで。

まだ、「できるようになりたい！」「自分ならできる！」と素直に思える小学校まで。

まだ、ルールや仕組みがスッと入りやすい小学校まで。

まだまだ「心の成長」が活発な小学校まで。

まだ、頭の柔らかい、感性がぐんぐん育つ小学校まで。

まだ、ちょっとの刺激でやる気のスイッチの入りやすい小学校時代まで。

…

子のように、学校制度などのハード面だけではなく、「子どもの発達段階や資質」などのソフト面でも、小学校時代までは、「ゴールデン」なのです。

どうでしょう。お子さまの「学びのゴールデンタイム」はあと何年でしょうか？

カウントダウンは始まっています。